TEE(2) | Linux Programmer's Manual | TEE(2) |
名前¶
tee - パイプの中身を複製する
書式¶
#define _GNU_SOURCE #include <fcntl.h> long tee(int fd_in, int fd_out, size_t len, unsigned int flags);
説明¶
tee() は、ファイルディスクリプタ fd_in が参照するパイプからファイルディスクリプタ fd_out が参照するパイプへ最大 len バイトのデータを複製する。 この操作では、複製されるデータは fd_in からは消費されない。したがって、これらのデータをこの後の splice(2) でコピーすることができる。
flags は一連の修飾フラグであり、 splice(2) や vmsplice(2) と共通の名前である。
- SPLICE_F_MOVE
- 現在のところ tee() では何の効果もない。 splice(2) 参照。
- SPLICE_F_NONBLOCK
- 入出力時に停止 (block) しない。 詳細は splice(2) 参照。
- SPLICE_F_MORE
- 現在のところ tee() では何の効果もないが、将来的には実装される可能性がある。 splice(2) 参照。
- SPLICE_F_GIFT
- tee() では未使用。 vmsplice(2) 参照。
返り値¶
成功して完了すると、 tee() は入出力間で複製されたバイト数を返す。 返り値 0 はデータの転送が行われなかったことを示す。 この場合、処理を停止 (block) しても無意味である。 なぜなら、 fd_in が参照するパイプの書き込み側に接続されている者がいないからである。
エラーの場合、 tee() は -1 を返し、 errno にエラーを示す値を設定する。
エラー¶
バージョン¶
tee() システムコールは Linux 2.6.17 で初めて登場した。
準拠¶
このシステムコールは Linux 固有である。
注意¶
概念としては、 tee() は二つのパイプ間でデータのコピーを行う。 しかし、実際には実データのコピーは行われない。 内部では、 tee() は入力側に対する参照だけを作成することで出力側にデータを 追加する。
例¶
以下の例は、 tee() システムコールを使って、 基本的な tee(1) プログラムを実装したものである。
#define _GNU_SOURCE #include <fcntl.h> #include <stdio.h> #include <stdlib.h> #include <unistd.h> #include <assert.h> #include <errno.h> #include <limits.h> int main(int argc, char *argv[]) {
int fd;
int len, slen;
assert(argc == 2);
fd = open(argv[1], O_WRONLY | O_CREAT | O_TRUNC, 0644);
if (fd == -1) {
perror("open");
exit(EXIT_FAILURE);
}
do {
/*
* tee stdin to stdout.
*/
len = tee(STDIN_FILENO, STDOUT_FILENO,
INT_MAX, SPLICE_F_NONBLOCK);
if (len < 0) {
if (errno == EAGAIN)
continue;
perror("tee");
exit(EXIT_FAILURE);
} else
if (len == 0)
break;
/*
* Consume stdin by splicing it to a file.
*/
while (len > 0) {
slen = splice(STDIN_FILENO, NULL, fd, NULL,
len, SPLICE_F_MOVE);
if (slen < 0) {
perror("splice");
break;
}
len -= slen;
}
} while (1);
close(fd);
exit(EXIT_SUCCESS); }
関連項目¶
2006-04-28 | Linux |